CALENDAR
S M T W T F S
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< October 2018 >>
                                 
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
RECOMMEND
教室で教えるということ
教室で教えるということ (JUGEMレビュー »)
岩垣 攝,子安 潤,久田 敏彦
RECOMMEND
ARCHIVES
CATEGORIES
                
<< 改訂された放射線副読本 | main | Society5.0という産業中心主義 >>
国語教育の危機

紅野謙介、筑摩書房、880円と税金。

この方の文章を何か別によんだ記憶がある。何であったか思い出せない。

さて、本書、「大学入学共通テストと新学習指導要領」という副題がついているように、現下で進行中の国語教育とそこで育てようとする国語に関係する諸力について検討した本だ。とりわけ、高校の国語教育の改変動向の問題点を、大学入試に関わる国語のテストの内容的な変化についてプレテストなどの問題文を検討することで提出している。

 

2020年からセンター試験が共通テストに変わる。国語だけではないが、問題の出し方、従って問われる能力が変わることになっている。記号を選択するマークシート方式から記述式問題が大幅に導入される。この変化は、学習指導要領の変化に対応している。この変化の動向を紅野は国語教育の危機と見る。

問題文と問い方の変化を分析することで、その問題が妙に易しかったり、特定の見地に立たせて無理に多角的・多面的に考察させようとする不自然な問いであることを示していく。

この辺り、紅野の基本的視座を形成したのが、麻布高校の国語教師だった時期とあるように巧みだ。私の観点からすると、大学受験に汚染された影を引きずっている言い回しと受け取れるところもあるし、学習指導要領全体の性格付けの評価など異なる点もあるが、受験国語の問題文やその意図の分析は手際がいい。本書の中心だ。

 

そうした検討から要するに、国語教育の動向は、伝統的な言語文化へのリスペクトを植え付けようとする一方で、文学を拒絶し、情報処理的な論理的思考力を育成する方向が目指されていることが危機の基本だという。それに対して、現状の高校生たちの力量も危機にあり、その処方箋ではこの危機を越えられないのではないですか、と言っている。

なぜか。試行として行われたテスト問題が一方では単純で易しすぎる問題になったり、特定のキーワードを必須として採点する仕組みとなっていたり、不自然な回答観点を要求することなどによって難易度が急に高くなったりする問題点などをあげる。これから始まる国語教育が、毛嫌いされる文学による批判的思考を排除することで、むしろ論理的思考の形成が奪われていくと述べている下りがあったりする。この辺りの見方は、私と共通する。汎用的スキルはお手軽すぎて、現実の問題の理解と分析にはまったく不十分だと私も考えているからだ。

内容の教材研究をおろそかにさせる政治として位置づけることが必要だ。そんなことを思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| | 07:09 | comments(1) | - |
スポンサーサイト
| - | 07:09 | - | - |
コメント
ねじれた表現の文章をちょっと整形。
| KOYASU | 2018/10/05 9:15 AM |
コメントする