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モラルの起源

亀田達也、岩波書店、760円と税金。

副題に「実験社会科学からの問い」とある。この意味は、政府の人文科学を役に立たないと削減する動向に突き動かされて、役に立つということと今の科学の動向とつなげた手法の可能性とを示すことらしい。亀田の見地は、人文科学削減政策に批判的とも受け取れるし、迎合しているとも受け取れる。

つまり、人の社会心理学的行動を大脳の活動状況のデータで実証する手法を採用して、役立つことと脳研究との結合という手法の新しさで存在感を示そうというわけだ。そういうアプローチもあろうが、そのほかの人文科学のこれまでのアプローチの意義を何か変更することを示唆したかというと、そうではなさそうだ。新たな取り組みの一つではあるが、取って代わるということにはならないように思われた。

 

実験は、巣の引っ越しをミツバチはどう決めているかという群れ行動と、人の場合の文化市場の曲がヒットするかどうかの現象との比較が2章。ミツバチは、よい場所という情報が徐々に広がって引っ越しが決定されるのに対し、人の場合は何がヒットするかは分からないという結論が提示される。群れが判断基準となるミツバチにたいして個体レベルでも判断する人は、空気を読んで強く同調しもするが、個体レベルの反応もする点で異なるという。

 

3章では人の利他行動と大脳の反応が取り上げられる。自分勝手な行動を皆がとるかというとそうはならないという事例を動物のチスイコウモリのえさの配分行動、人の共有地の利用方法の事例、公共財ゲームの事例などで紹介していく。

 

4章では、共感という情動反応を大脳の活動と関連づけた実験結果が紹介される。

利己的行動が世界を支配すると信じている人も多いが、これらの実験や現象は、その反対であることを紹介している。

手際よく紹介されていくので、4時間かからずに読み終わった。

 

タイトルはモラルの起源だが、これが起源だとまで言ってしまっていいかというと、起源かどうかはわからない。人というものの行動を各実験が示してはいるが、文化性/歴史性に依存し、個体の諸関係が影響するものである以上、そこまで普遍的と言ってしまっていいとは思われなかった。

ただ、こういうアプローチもあるのだなと記憶の片隅に配置はしておきたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| | 06:43 | comments(1) | - |
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コメント
またまた、文章の間違いを訂正。ゆっくり読み直さないと間違いがある。
| KOYASU | 2017/06/05 8:12 AM |
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