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教室で教えるということ
教室で教えるということ (JUGEMレビュー »)
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2018年初の論文公刊

教育科学研究会編集『教育』2018年1月号、癸牽僑換罅△もがわ出版(667円と税金)が到着。

そこに「単線的教員指標の教師像に抗して」(29−35頁)と題した私の論文が掲載されました。

発行日は2018年1月1日なので、形式的には来年の最初に刊行されたものということになります。未来のことなのに過去形となるところが面白い(文法的になんか名付けられていた)。儀邱罎坊悩椶箸いΨ亳海蓮△海譴泙任砲發△辰燭もしれませんが、日付を気にしたことがありませんでした。

 

論文の中身は、各自治体で作成が続く教員指標(教員スタンダード)の動向と問題点を整理したものです。教師教育学会の紀要に書いたものをデータを新しくして、コンパクトにして読みやすくしたもの。頁数の制約からスタンダードの事例はほとんど載せてないので、紀要論文を見ていただくか、各地の教委を探索していただくといいでしょう。日々作成されているので新しい動向がひょっとするとあるかもしれません。スタンダードの設定は、画一化、単線化、特権化の三つの問題点がそこにあります。

 

特集1は教育実践への誘い。実践の読み方としては片岡論文から読むという手もあるかもしれませんし、「やっぱり実践からだ」という人は大江氏の記録からというのもあるかもしれません。

特集2は指導とケアの狭間。ここは実は微妙です。今号にはなぜか竹内常一の教育実践論とケア論が何回か引用されていますが、1950年代からの生活指導論はケア論を内包させていたと思われます。ケアを生活指導として追求してきたという側面がありそうだと思っています。貧困問題や子どもの暴力問題にケア的取り組みが行われていたと言えそうな気がします。

当時の実践記録には、弁当を持ってこられない子やストリートチルドレンの存在があります。綴り方には働く子どもたちの姿が記されています。団塊世代の人にはいくらかそういう記憶があるのではないでしょうか。

 

特集外の短い文章が面白かった。脅迫的に本を読むということがあることをはじめて知りましたし、声の「ものさし」をめぐる子どもの疑問は学校の奇妙さを描いています。

 

 

 

 

 

 


 

| | 06:22 | comments(0) | - |
イギリス現代史

長谷川貴彦、岩波書店、780円と税金。

 

イギリスと言えば、ずっと単一国家だと長く思っていた。長い名前を持つ連合国家だと知った後も、その違いは古代から中世までの話しで、近代以降はたいして違わない、多少の文化的差違だと見なしてきた。それが、スコットランドの独立が耳目を集めた昨今、また移民問題との兼ね合いでシチズンシップの教育が日本では話題となったこととの関係で読むこととした9月刊行の新書。

 

長谷川になる本書は、1940年代の叙述から始まる。現代をいつからとしているかは重要なポイントだ。そこに拘って記していないが、出発点と断定している。

本書の大きな特質は、文化史が大きな位置を占めていることである。政治や経済の動向とその規定因を中心に論述するよくあるスタイルとかなり違う。政治や経済、チャーチルやウイルソンといった政治家の政策も簡潔に並べられているが、例えば伝統的な労働者像とは異なる労働者=民衆的個人主義の登場を日常の文化や行動スタイルとともに描き出している。そのために私にとってなじみのないわからないポピュラー文化の言葉がところどころに登場する。例えば、「マージ・ビート」とか知らず、検索を何度もしながら読むことになった。

 

政治の局面では、スエズ危機が世界の盟主からのイギリスの凋落の決定的局面だったとある。私はもっと前だと思っていた。こうした見方の違いをいくつも見いだしたが、後半は急ぎすぎであることと、ロンドン中心の叙述となっていることは否めない。ただ、素人の私には格好の現代イギリスの解説書だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| | 06:50 | comments(0) | - |
これが人間か改訂完全版

正確には以下がタイトル。

プリーモ・レーヴィ(竹山博英訳)、改訂完全版アウシュヴィッツは終わらないこれが人間か、朝日新聞出版、1500円と税金。

 

イタリア系の人のアウシュヴィッツ体験は、この人の本しか読んだことがない。現代思想か何かに何度か引用されていて、評伝のようなものをだいぶ前に読んだだけだった。新訳が出た。

 

プリーモ・レーヴィは、イタリア系ユダヤ人としてアウシュヴィッツに送られ、生存して帰ったごく少数者の一人。生きて帰ったことが別な困難をその後の人生に生みだしたことでも知られる。絶滅収容所からの生還者は何をこそいかに語るべきか、語れるかという問題である。1987年に自死している。

 

書き出しの詩が有名でしばしば引用される。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

暖かな家で
何ごともなく生きているきみたちよ
夕方、家に帰れば
熱い食事と友人の顔が見られるきみたちよ。 

これが人間か、考えてほしい
泥にまみれて働き
平安を知らず
パンのかけらを争い
他人がうなずくだけで死に追いやられるものが。
これが女か、考えてほしい
髪は刈られ、名はなく
思い出す力も失せ
目は虚ろ、体の芯は
冬の蛙のように冷えきっているものが。

考えてほしい、こうした事実があったことを。
これは命令だ。
心に刻んでいてほしい
家にいても、外に出ていても
目覚めていても、寝ていても。
そして子供たちに話してやってほしい。 

さもなくば、家は壊れ
病が体を麻痺させ
子供たちは顔をそむけるだろう。 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

命令という言葉にこれほど重みがあるのは、はじめてのような気がする。

これはお奨めの一冊。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| | 07:24 | comments(0) | - |
数量的な見方考え方

板倉聖宣、仮説社、1700円と税金。

刊行年は2010年だが、中身はもっとずっと前に書かれたものも含まれていて、私はすでに読んだ記憶のものが半分くらいあったが、このタイトルに惹かれて購入。本当は、遠山啓との関係に論及した数頁があって購入してあって、そこだけ見て放置してあった。

 

板倉は物理を中心とした科学史が本来の専門だが、これは数学というか数に係わる見方への論及を集めた本である。

 

写真は、誰かが新幹線の富士駅は要らないと言っていたその駅通過直後に撮影したもの。授業書の角度と勾配の中に富士山の絵の勾配を測るという問題があって、それで掲載した。

 

はっとさせられる話題を二つ。20+80=100が普通だが、100にならない問題がたくさんあるという話しが本書の出だしにある。

例えば、20度の水と80度の水を足しても100度にならない。加法が成立する場合と成立しない場合があるのだが、成立条件について数学教育は教えていないと言うわけだ。水とアルコールを50ccずつたしても100ccにならないのは理科の教科書に取りあげられて比較的知られているが、濃度も単純な足し算は成立しない。

こういう成立条件を明示・限定して教えるべきことがないがしろにされているという論調の話しが続く。

 

江戸時代の円周率は、3.14と3.16の二つがあり、学者は正しい数値を、素人世界では誤った3.16が流通していた問題を取りあげて、最後までつまりすべての人が納得するまで論証することが重要だと力説する。当時も、3.16じゃないと思った人はいたのに、正3万2768角形まで計算して円周率を出そうとしたのに、証明を途中で断念したために、誤謬が素人の世界には残ったことを指摘している。

どういうことかというと、円に内接する正多角形の周囲の長さは計算が面倒だができる。これを32768角形まで計算した、これをやっていくと限りなく円周率に近づいていく。しかし、角数を増やしていくと、円周率の数字は少しずつ増えていく。そのために、内接する正多角形を計算するだけでは確定しない。だが、確定する方法があるのに、それは簡単なのにそれをしなかったと批判しているわけである。

その方法は、本を見ていただければすぐなんだと私でもわかるもの。

 

 

 

 

 

 

 

| | 08:03 | comments(3) | - |
矛盾と空気について(憎悪と愛の哲学)

勤務先のスローガンは、不言実行。

不言実行をスローガンにすることの矛盾。

 

以下は大澤真幸の本から印象に残った指摘に係わって。

『憎悪と愛の哲学』角川書店、1600円と税金。

神の全能性は無能性に依存している、という話しも不言実行と言ってしまうのと同じ類いの論理を持っている。

もし神や王の言動が恣意的で気まぐれなら、その支配者は無能だということ。神の全能性はだから無能性に依存しているという。

 

同じく、ジョークの紹介がある。

自分を穀物の粒だという妄想を持っている人が、そうではないと納得して退院することになった。だが、病院を出てすぐにまい戻ってきて「自分は鶏に食べられてしまうかもしれない」と訴えた。医者は「もう自分は穀粒ではなく人間だと納得したじゃないか」と言うと、彼は「もちろん、私はそのことをわかっている。だが、鶏はわかっているのでしょうか?」と。p.49

鶏がわかっているかどうかにあたるものが「空気」だと大澤はいう。この「空気」は、裸の王様で裸だと皆知っているのにそれを誰も言い出さない現象に該当する。自分は知っているが、みんなも知っているだろうかという不安=空気だ。これに支配されていると言うわけだ。

 

この空気を破るのは、裸の王様の場合は空気を読まない子どもだった。

私は、そのルートも残して置いていいが、批判的なまなざしだと思う。

この空気は、裸の王様の場合子どもの一言で別の空気に入れ替わったが、空気を空気で入れ換えていいのかというとそうではないだろうと思う。より確かな事実と結びついた批判的なまなざしが重要なのだろう。

 

ほとんどの指摘を忘れてしまうに違いないのだが、面白かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| | 08:53 | comments(0) | - |
移民の子どもと学校

OECD編著、明石書店、3000円と税金。

欧米で主として話題となり、政治問題となっている移民。その子どもの教育と「学力」の問題が取りあげられている。

 

監訳者による冒頭の言葉がまず興味深い。

元のデータがPISA調査を移民かどうかなどの属性とクロスさせているのだが、他ならぬPISA調査に移民の人々の文化的背景をスポイルしていく要素があることが取りあげられている。例のPISA批判の国際署名である。

 

移民とは誰か、そのとらえ方の変化がまず取りあげられている。留学や仕事で移動してきて、そのまま永住した場合、移民という意識は弱いらしい。難民として暮らしはじめると移民と捉える人が多いらしい。だが、言うほど違うかというと線引きは難しい場合がある。

移民の比率の高い国とそうでない国、移民への施策が一応ある国とない国、移民の貧困率とPISA結果の高低の相関などがデータとしてあげられている。

こうした問題に関心を寄せる人にとっては持っておきたい一冊。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| | 16:44 | comments(0) | - |
中原中也

佐々木幹郎、岩波書店、900円と税金。

中原の存在は山羊の詩を文庫で読んだ記憶しかない。それは有名だったから手にしただけのことだった。どちらかと言えば好きになれない言葉が並んで、これまた途中で止めたと思う。

にもかかわらず、もう一度目にすることになるのは、「汚れつちまつた悲しみ 今日も小雪の降りかかる ・・・」という有名な詩に再びであったからである。何かの本の中に引用されていたのではないかと思う。そこに中也が山口の吉敷の出身とあったのが気になったのである。「吉敷か!」というただそれだけなのだが、私の大学院の同期であった杉山さんの自宅がそこにあったこととつながる。9年前に亡くなってしまったが、時々思い出すのである。山口から島根をめぐったことや鷹野橋付近を行き来していたことを。

ただそれだけの理由で読むことにした。

 

山羊の詩しか知らなかったので、中原が中学を落第することになって京都の立命館中学に転校したことや、一時期ダダイストになったこと、小林秀雄との妙な関係、神経衰弱で千葉寺の病院に入院していたことなどどれも知らないことばかりだった。

 

佐々木は中原の詩作をその言葉の一つ一つがどこからやってきたのかを誠に詳細に跡づけようとする。解釈には詩人としての想像力だと思われる部分もあるが、実証的証拠に由来するものだと確証できるものもあるように私は読んだ。そうした中で、中原にとっての「雪」は恩寵だという指摘が一番印象に残った。恩寵が降ってくるもの、消え去って行くものと読むと一貫して確かに理解できるように思われた。

 

もう一つは、自らの青春期を救い出すことで一生を終えるという指摘だ。救い出すとは、青春への訣別である人もいるだろう。それもありだと思われるのだが、青春の鬱屈や屈託に区切りをつけるのとは違って時に応じて抱え込む、新たな恐れと揺らぎを持って抱え込み直す生き方もあるということを佐々木は言っているようだ。本文最後の一文をそう読んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| | 08:06 | comments(0) | - |
新聞記者

望月衣塑子、角川書店、800円と税金。

3時間かからずに読み終えた。

記者会見で質問を続けることで話題になった方の新書。言い訳の書みたいに読むといいかなと思った。

声が大きいのは、演劇を高校までやっていたため、東京新聞の記者なのは三大新聞の入社試験に落ちたためなど。

メルボルン留学中に岩から落ちて頭に傷を負ったなどの生い立ちからはじまる。中日新聞は今もやっていると思うけど、新人研修で新聞配達をしていたのが勤務先のある春日井だったなど、駆け出し記者だった頃のことが前半部。それらが言いたいわけではなくて、どう取材してきたか、情報に踊らされながらも、事実は何であったかを追いかけてきたのだということだろう。

 

後半が森友・加計問題の取材に関わる諸問題。

前川氏へのインタビュー前後を読むと、安倍政権による謀略策動があったことを推測させる。また、近年の説明をしない管長官の応答の仕方の問題性が浮上する新書。次のスクープを期待したい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| | 07:47 | comments(0) | - |
生活教育11月号

日本生活教育連盟編、生活ジャーナル、667円と税金。

 

ダウン症の子を持つ親の文章がトップにある。この一文が一番気になった。

現在、見晴台学園専攻科に在学中だという。妊娠中にダウン症の恐れがあると診断されるも生むと決意。しかし、予告通りに生まれるとショックであったことから記述が始まる。その後も幼稚園以後のいくつかのエピソードが廻りに支えられてやってきたと記されている。抑制的に書いている気がした。しかし、文末に「道なき道を歩んで現在に至っている」とあり、言葉の一つ一つを真っ当に受けるとやはり大変さが響いてくる。

 

幼稚園の実践記録が二つ。これはうまく読めなかった。長く幼児教育実践を読むことから離れているせいか引き取れなかった。

 

小学校1年の空良さんを中心とした記録は、投稿直前の報告を聞いていたので、二度目の読解。これは教師の言ったことやったことを初期よりも記述するようになっていたが、教師の実践的研究テーマを意識的に打ち出せるようになるといい。

 

原田さんは平易な語り口で、実践で主張を語るベテラン。若手を意識しすぎかもしれない。鎌倉さんの真骨頂は、実践の意味づけの的確さ。サークル論的文章となっているが、実践分析ならそちらに徹した方がよりよい感じ。山田さんは愛知の現代教育史の趣だが、史料とセットの記述は後半部。南さんは、珍しい人形劇の指導の記録。

 

前にも一度記したが、不思議な構成の雑誌で、同人誌的な印象を与える。そこにはホンワカとした時が流れ、短期的目標に追われ、大仰なスローガンに囲まれた空気を消し去る。

なかなかない雑誌構成だ。

 

 

 

 

 

| | 07:28 | comments(0) | - |
闘う文豪とナチス・ドイツ

池内紀、中央公論新社、820円と税金。

トーマス・マンの亡命日記という副題がついている。

 

トーマス・マンを私は「魔の山」を途中まで読んだ記憶しかない。ノーベル賞作家でドイツではとりわけ有名なことぐらいしかしらなかった。その作家の二十年あまり書き続けた日記を読み解いた本がこれである。

 

ナチス政権が誕生してナチスを批判していた彼は、講演旅行中に帰国できなくなり、アメリカに亡命することになる。本書は、その間の毎日欠かすことなく綴られた端書き・論評・交友を当時の出来事や登場人物との関係など織り交ぜて読み解いている。

とりわけ、ナチス批判、政権の幹部、ナチス協力者、ナチスに協力してしまう市民の行動などがマンに寄り添い補足説明されていく。

 

ミュンヘンに帰れなくなって日記が読まれることを心配し、取り戻すことに奔走した話しに始まり、取り戻したかった理由の説明で本書は終わる。私が興味深かったのは、マンとブレヒトの比較をした下り。立て襟でいつも正装のマンに対して革ジャンのブレヒト。二人の対比は生まれもあるだろうが、思想とりわけ時代の思想が関係がありそうだ。池内はマンにわずかに肩入れしている。

 

もう一つは、白バラ事件の下り。ショア兄妹がナチス批判の手紙・チラシを配布してナチスに処刑された事件だ。映画にもなっていて何年か前に見た記憶がある。この若い二人がナチスに捕まって妹に兄にそそのかされたと言えば助けるという取り調べ官の申し出を断固と拒否して行く下り。二人はミュンヘン大学の学生だったが、この事件の後、3000人の大学生がヒットラーを支持し、ショア兄妹を批判するデモ行進を行ったことを記している。ここに、ナチスとその協力者への応分の批判がマンと池内によって提出されている。

 

ルモンドは、安倍を歴史修正主義者としてつい最近も報道したが、これを支持する者の責任を問いかけるものでもあると読んだ。

仕事に直結した本と資料からようやく解放された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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