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教室で教えるということ
教室で教えるということ (JUGEMレビュー »)
岩垣 攝,子安 潤,久田 敏彦
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自信を持てる子が育つこどもと哲学

川辺洋平、ワニブックス、1300円と税金。

p4cの親子編。

子どもと哲学対話をしようとするp4cもしくはP4CあるいはPWCと呼ばれる運動というか実践動向がある。それを家でやってみた親子への聞き書きをまとめた本。子どもは4歳ぐらいの子から小学生くらいまでが対象となっていて、中には障がいを持った子との対話を行ってみた親子の聞き書きも入っている。

一番おしまいは、日本における子ども哲学の中心となっている河野哲也氏へのインタビューが収められている。

聞き書きというかインタビューが中心なので読みやすく、イメージしやすい。

 

p4cJapanのサイトにコミュニティーボールのつくり方が書いてあるのだが、毛糸玉がいいのだろうか?

http://p4c-japan.com

20年くらい前になるだろうか、浅野誠さんからお話しの杖というのを聞いたことがあるのだが、役割はそれと同じだ。私はスポンジのサイコロを使っていたこともあるのだが、それじゃダメだろうか?

本には自分たちでつくることに意味があるというニュアンスで書いてあるが、その可能性はあるが絶対と言うことはないだろう。それを使っていない実践もp4cの事例の中にもけっこうある。

あと人数の問題もある。

 

何度か試してみようかなと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| | 06:56 | comments(0) | - |
情報生産者になる

上野千鶴子、筑摩書房、920円と税金。

最初タイトルを見たときは、研究方法論の本だと思わなかった。章構成を見て社会学を中心とした研究方法論だと了解し、「らしさ」がどこかにあるに違いないと読み始めた。

出だしは、大澤真幸が連載していた研究方法論などと共通点も多くて、「意外に」オーソドックスと読んだ。やはり「学問は極道」などと、言い回しにらしさを込めるサービスはあったが、比較的研究世界で語られる線に沿っている。研究テーマの決め方は読みようによってはウエットだが、データの収集可能性などになると成果が出ることを優先しているという意味でドライだと思った程度。

私は上野の代表的な単著の類いばかりを読んできたので、それらの元になっているデータ収集過程が直接見える論文を見ていない。そのために、はじめて知った事柄としては、KJ法を利用した研究法を上野が採用していたということ。それをアレンジした「うえの」式を解説した付近が本書の山場。上野ゼミの学生・院生たちの事例が多用されているので考えながら読むとふーんという感じ。

たぶん私はこの方法を採用しないけれど、考え方としては採用している部分があったなと読んだ。

 

本書の一番おしまいの部分にあるが、これから研究を始めようという方、考えるって何?と思う方、あるいはそういう人にどう説明したらいいのだろうと考えている方々には間違いなく有益な本だ。

研究テーマを決めて、どうアプローチするかを決めて、データを集めて、それを分析して、さらにそれらをプレゼンする話しが一続きで記されているからである。そういう本は意外に少ない。

 

外在的コメントになるかもしれないが、国語の教科書が文学ばかりという下りは、ちょい前世代の思い込みだ。もう一つは、「感じたことを、ありのままに書く」作文教育を批難しているところには賛同しない。考えたことをデータをもとに論拠を示して書くことも重要だが、二つの文章を対立関係において捉えるのは違うだろう。今の国語教育は、情報処理や論理優先に振れている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| | 06:27 | comments(0) | - |
食育のウソとホント

魚柄仁之助、こぶし書房、2000円と税金。

大変読みやすく、1時間に60頁くらいは進む。

 

内容は、食に関わって語られる和食に関する言説にウソが多いことを、食材と料理とその成立時期に即して誤りであることを列挙した本。

例えば、「和食は健康的」というけれど、例えば江戸期は米の偏食であったこと、糖分が少なかったのはなかったから、砂糖が入手できるようになるとやたらと甘くしてしまったこと、食糧難の時代に引き揚げ者が戦地の料理法を持ち込んだこと、白菜の漬け物は明治期途中からで昔から食べていたわけではなかったことなどなど。

また、団らんが強調されるが、それは、家の構造が寒さや暗さのせいで人を一カ所に集めるしかなったからで、家族関係の絆によるものなどではなかったこと、今や家の構造と労働の仕方の変化によって必然がなくなったといったことが指摘されている。

どれも短く記されているが、たいていどこかにデータが配置されている。

 

だからどう考えるかのまとめは最終章にあるが、この処方箋が「まあそうだな」とも思ったりもしたが、素人には一つの方向だねというあたりにしておきたいと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| | 07:16 | comments(0) | - |
国語教育の危機

紅野謙介、筑摩書房、880円と税金。

この方の文章を何か別によんだ記憶がある。何であったか思い出せない。

さて、本書、「大学入学共通テストと新学習指導要領」という副題がついているように、現下で進行中の国語教育とそこで育てようとする国語に関係する諸力について検討した本だ。とりわけ、高校の国語教育の改変動向の問題点を、大学入試に関わる国語のテストの内容的な変化についてプレテストなどの問題文を検討することで提出している。

 

2020年からセンター試験が共通テストに変わる。国語だけではないが、問題の出し方、従って問われる能力が変わることになっている。記号を選択するマークシート方式から記述式問題が大幅に導入される。この変化は、学習指導要領の変化に対応している。この変化の動向を紅野は国語教育の危機と見る。

問題文と問い方の変化を分析することで、その問題が妙に易しかったり、特定の見地に立たせて無理に多角的・多面的に考察させようとする不自然な問いであることを示していく。

この辺り、紅野の基本的視座を形成したのが、麻布高校の国語教師だった時期とあるように巧みだ。私の観点からすると、大学受験に汚染された影を引きずっている言い回しと受け取れるところもあるし、学習指導要領全体の性格付けの評価など異なる点もあるが、受験国語の問題文やその意図の分析は手際がいい。本書の中心だ。

 

そうした検討から要するに、国語教育の動向は、伝統的な言語文化へのリスペクトを植え付けようとする一方で、文学を拒絶し、情報処理的な論理的思考力を育成する方向が目指されていることが危機の基本だという。それに対して、現状の高校生たちの力量も危機にあり、その処方箋ではこの危機を越えられないのではないですか、と言っている。

なぜか。試行として行われたテスト問題が一方では単純で易しすぎる問題になったり、特定のキーワードを必須として採点する仕組みとなっていたり、不自然な回答観点を要求することなどによって難易度が急に高くなったりする問題点などをあげる。これから始まる国語教育が、毛嫌いされる文学による批判的思考を排除することで、むしろ論理的思考の形成が奪われていくと述べている下りがあったりする。この辺りの見方は、私と共通する。汎用的スキルはお手軽すぎて、現実の問題の理解と分析にはまったく不十分だと私も考えているからだ。

内容の教材研究をおろそかにさせる政治として位置づけることが必要だ。そんなことを思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| | 07:09 | comments(1) | - |
国語授業の改革18

「読み」の授業研究会編、国語の授業で「深い学び」をどう実現していくか、学文社、2300円と税金。

研究会代表の阿部さんによる冒頭の論文が、今回の学習指導要領の国語の部分で語られる「深い学び」の検討をしている。論文の基本的主旨は、国語科における「深い学び」が「言葉による見方・考え方を働かせる」と書いてあるが、その中身ははっきりしない。また、それら見方・考え方と教科内容や教材との関係が鮮明でないことを事例を挙げながら指摘している。そこでまず、教材研究を深めることを通じて検討していく方向を提示している。

基本戦略の一つはここだと私も思う。

 

目次は一番最後にコピーしておくので参照されたい。

読み研会員を中心とした実践報告が並ぶが、実践をそのまま記録する形で提示したもの、「深い学び」のその見方・考え方とは読み研が提案してきた構造読みや論理読みという観点、あるいはその観点から掴んだ論理構造などがそれに該当するのではないかという趣旨の報告が第1部に並ぶ。

 

第二部が、そこで重要となる読み研の提案してきた、とりわけ近年打ち出してきている「伏線」あるいは「吟味と批評」などの観点についてベテラン層が記している。

 

第三部は、今回注目の蕪村の作品を扱った授業記録である。最近では珍しい全授業記録とある。いくらかは省略があるだろうがこういう記録が研究上はきわめて有益だ。

 

第四部以下は、教育学研究者の論考が並ぶ。

拙論の収められている『教室で教えるということ』八千代出版の書評を吉田氏がしてくれている。感謝。

 

目次:

国語の授業で「深い学び」をどう実現していくか

〈問題提起〉

1 国語の授業で「深い学び」をどう実現したらいいのか
―「言葉による見方・考え方」・教科内容・教材研究の検討を通して考える 阿部 昇

〈物語・小説・古典の授業で「深い学び」を実現するための方法―言葉による見方・考え方を育てる〉

2 物語・小説のクライマックスを読む授業で「深い学び」を実現する
―教材「海の命」(小6)を使って 永橋和行

3 物語・小説の伏線と技法を読む授業で「深い学び」を実現する
―教材「羅生門」(高1)と「タオル」(重松清)を使って 湯原定男

4 物語・小説の吟味・批評の授業で「深い学び」を実現する
―教材「夏の葬列」(中2)を使って 鈴野高志

5 現代に生きる古典の授業で「深い学び」を実現する
―教材『平家物語』「祇園精舎」と「木曽の最期」を使って 加藤郁夫

〈説明文・論説文の授業で「深い学び」を実現するための方法―言葉による見方・考え方を育てる〉

6 説明文・論説文の典型構成を読む授業で「深い学び」を実現する
―教材「科学はあなたの中にある」中2)を使って 中沢照夫・武田正道

7 説明文・論説文のロジック(論理)を読む授業で「深い学び」を実現する
―教材「生き物はつながりの中に」(小6)を使って 岸あゆり

8 説明文・論説文の吟味・批判の授業で「深い学び」を実現する
―教材「想像力のスイッチを入れよう」小5)を使って 渡邊絵里・熊添由紀子


「深い学び」「言葉による見方・考え方」を実現するための教材研究の方法とスキル

1 物語・小説の「作品構造」の教材研究をきわめるための方法とスキル 大庭珠枝

2 物語・小説の「伏線と技法」の教材研究をきわめるための方法とスキル 熊谷 尚
 
3 物語・小説の「吟味と批評」の教材研究をきわめるための方法とスキル 竹田博雄

4 説明文・論説文の「文章構成」の教材研究をきわめるための方法とスキル 加藤辰雄

5 説明文・論説文の「論理と要約」の教材研究をきわめるための方法とスキル 柳田良雄

6 説明文・論説文の「吟味と批判」の教材研究をきわめるための方法とスキル 高橋喜代治


俳句「さみだれや大河を前に家二軒」(蕪村)で「深い学び」を実現した授業
―熊谷 尚先生の授業の記録と授業案
1「さみだれや大河を前に家二軒」(蕪村)の1時間の全授業記録 大庭珠枝

2「さみだれや大河を前に家二軒」の教材研究と単元計画・本時案 熊谷 尚

3 授業へのコメント:「言葉による見方・考え方」を駆使して「深い学び」を実現した古典の授業 阿部 昇


新学習指導要領の「深い学び」と「言葉による見方・考え方」について考える―現場への提言

1 最適な言語活動の導入による「深い学び」 吉田裕久

2 国語の探究型授業とは何か ―新しい授業論・国語教育の焦点課題 阿部好策

3 高次能力を育てる学習課題と評価方法の工夫 間瀬茂夫

4 「深い学び」をどうとらえるか―教科の本質を追求する授業のあり方 石井英真

5 「言葉による見方・考え方」と認知能力―対象の捉え方は言葉にどのように反映されているのか 森 篤嗣


新学習指導要領「深い学び」「見方・考え方」を読み解くための6冊

1 『国破れてマッカーサー』(西鋭夫) 望月善次

2 『教室で教えるということ』(岩垣・子安・久田) 吉田成章

3 『新学習指導要領を主体的につかむ』(梅原敏夫) 小林信次

4 『教科の本質から迫るコンピテンシー・ベイスの授業づくり』(奈須・江間他) 高橋喜代治

5 『TOK(知の理論)を解説する―教科を超えた知識の探究』(Z会編集部編) 岩崎成寿

6 『アクティブ・ラーニングの実践の手引き』(田中博之) 平野博通


連載・教材研究のポイント

1 「お手紙」(A・ローベル)の教材研究―ここがポイント 臺野芳孝

2 「字のない葉書」(向田邦子)の教材研究―ここがポイント 阿部 昇

 

 

 

 

 

 

 

 

| | 07:10 | comments(0) | - |
江戸東京の明治維新

横山百合子、岩波書店、780円と税金。

幕末の江戸の住居の配置が大名や町人たちの身分によって決まっていたことの確認からはじまり、それが徳川の敗北によって、移住が始まる。幕臣の家臣とその家族たちは、元の領地に無禄で帰郷するか、新政府の役人に就職するか、新に仕事を始めるかの三択を迫られ、江戸の三割以上の人間がいなくなったこと。

代わりに新政府の軍隊が入ってきて、大名屋敷等に入り込んだこと、治安が課題となったことが記されている。治安のために戸籍を編成しようとしたが、身分ごとの調査がうまくいかず、さらに事案が発生したときにもうまく機能しなかったこと、そのために身分ごとの戸籍編成を断念していったこと、それらが身分制の廃止と関連があるらしいことが記してあった。

この辺りの下りで興味をひかれたのは、治安にあたった旧徳川方も官軍関連側もどちらも無法者の集まり(強盗・殺人・賄賂要求など)となっていったことが記されている。つまり、維新150年で当時の人を持ち上げたがる流言があるが、そういうことは思い込みであることがわかる一例とみた。

 

その後は、遊女や賭場への観念が記されていく。近世から近代初期のそれらの観念が今日のまなざしと異なることを提出している。遊女と真剣に結婚を迫る男の事例、それをいけないとするが、蔑視はしない。他方で、売買春という制度の存在の肯定という構造の存在を記してある。この辺りは、まだ研究の余地が広大に拓かれている気がした。この時期以降になると庶民の書き物も増えるので、さてホントはどうだったのかの追求の仕方がさらに変わっていく気がした。

おしまいに文献解題がついて初学者や後に続く人に便宜が図られているので、後に続けという意味だろう。

 

ただ一つの難は、場所と空間が広いタイトル設定なので、そこにおさまらない人の方が多いという問題である。どうしてもそう思ってしまったが、新書だから一部と言うことだろうが、知らないことにあふれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| | 07:46 | comments(1) | - |
人間と教育99号

民主教育研究所、『季刊人間と教育』癸坑后⊇槓鷦辧■隠隠坑葦澆叛廼癲

尾松亮へのインタビューがまず目をひく。子ども・被災者支援法の策定に関わったということで選ばれた人らしい。また、現状においてこの法律が、ほとんど有効に機能していない現実に対して思うところを語ってもらっている。現実を自由に語れない現実を言葉の酸欠状態と述べている。策定に関与した側としての見解にはいろいろ議論があるかなと読む。

 

憲法と民主主義を学校に、が特集。こういう特集を掲げる必要がある社会と学校という点が奇妙なわけだが、奇妙さは清水と中嶋が法制度的観点から説き明かしている。

実践のとしては、菅間の米軍基地の存在の是非を居住地域に置き直して問う授業は直球、同じく滝口の卒業に向けた行事づくりも直球。ただ、ガンで亡くなった中学生のK君の話しは今の子たちにも響く出来事だ。ただ、これは個人の尊重の問題か?本文以外のこともあろうから即断できないがどこに位置付く話しかは検討の余地がある気がした。

池田は政治教育の動向にかかわって、山本は教育批判の教育学、高橋は公務員制度の論文。関心に応じてという感じ。

 

第二特集は高校学習指導要領、梅原の総論、小池の国語科の再編の読み方、加藤の歴史総合の評価の仕方は読んでおきたい論文。

 

特集から外れる論文で気になったのが大川小裁判の判決の検討をした三上論文。相変わらずの硬派論調だが、この裁判は多様な意見があるので、学校を避難場所とした誤りを認定した意義、各種リスクのある指示に関する教職員の責任の範囲についてはなお議論の余地あることを指摘している。

定時制高校生との岩脇報告になんだかほっとし、赤木かん子の文章作成法もなんだかほっとしながら読んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

| | 08:13 | comments(0) | - |
文芸教育115

文芸教育研究協議会編、新読書社、1500円と税金。

写真を見るとわかるように、西郷が亡くなる直前の聞き書きで取り上げた『銀河鉄道の夜」の語りが記されている。その後も、その記録をめぐって文芸研メンバーらが対談を行っている。

 

西郷の作品理解という意味もあろうが、西郷追悼の意味で特集されていると読んだ。

前にも触れたことがあるが、西郷竹彦と私の先生である吉本均は親しかった。広島に西郷が来ると飲んでいた。立町の電停の近くの小さな小料理屋が当時あって同席したことがある。

 

この号のおしまいには、今回は教科研国語部会の読みの理論の検討がなされている。文芸研から観ると他団体の論がどう見えるのか、興味深い。前号は児言研、次は読み研になるらしい。対応関係を見ていることがわかる。そして、児言研が構成主義的な教育方法であるのに対して、教科研国語部会は客観主義的な教育方法としている。すると、文芸研は?とみると、その先は、もう少し、諸団体を検討してかららしい。

 

和歌山大学での教育方法学会で西郷理論は検討されるはずなのでちょっと手を伸ばしてみた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

| | 08:05 | comments(0) | - |
異端の時代

森本あんり、岩波書店、860円と税金。

このところ原稿用の資料ばかりで、新刊本に目を通す機会が減って、そうした中でも読みかけるとどうにも感じの悪い本であったり本との相性がよくなかった。

 

この新書は、悪くはなかったが、宗教学の専門家によるものだと思って購入しなかった点だけがミスだった。現代を異端の時代と見てそこを中心に分析した本かと思ってしまったが、そうではなくて、ずっと昔から正統と異端があったことを前提にした本であった。だから、本書は、「正統」と「異端」の裂け目やつくり方に関する過去から現代にいたる宗教を中心にその考え方を紹介している。宗教学の知見が基本となっている。

宗教と王権ほど「正統」と「異端」にこだわる分野はない。それらがいかに形成されてきたかに関する研究史だ。出だしは丸山真男の区分。ここでも丸山なんだ、と思った。ちょっと残念なのは、全体の見取り図を先に描いておいてもらうと素人にはよかった。

ともかく以後、正統と教義と聖典と正典の宗教ごとの違いや意味づけが中盤ずっと続いていく。したがって、そうした関心が今ひとつの人には、少々、いやかなりな粘りが必要となる。一気読みというわけにはいかなかった。

 

終盤は、現代の異端、とりわけ知性がない代表としてのトランプや安倍らがトップに座る時代、無謀な命令が繰り出される時代が念頭に置かれている。軍隊や官僚組織を例にいかに「正統」な使命を果たすか、本来の使命は重要そのものであったとしても、反知性主義的な「異端」の命令に対してどう向き合うかが考察されている。違法な命令には従わないという米軍、それがどれほど実効性を持つのかわからないが、違法に簡単に手を染める日本の官僚たちとの違いを打ち出していた。

「正統」と「異端」が操作される時代、なにをもって正統化が図られているのかを相対化する参照点を提示しているのだと読んだ。ただし、私の問題意識と微妙にズレ続ける印象はどうしても残った。

 

 

 

 

 

 

 

 

| | 07:14 | comments(0) | - |
生活教育8月号

日本生活教育連盟編、生活ジャーナル発売、通巻第837号、667円と税金。

 

通読して一番印象に残ったのは、藤井清美の「人生は自分が主役のドラマのようには進まない」という一節。これは真実だ!と思った。これから何度か口にするに違いない。

 

妹尾成重の集団づくりとゲームをエンカウンターの仕掛けで取り組んでいる報告は、これはどこかちがう印象だ。書き方がいけないのかもしれない。一億円のカードを三枚配って、ジャンケンをして勝つともらえて、時間がきたらグループの合計が多い方のチームが勝ち、とやり方はわかりやすい。そして、こうした活動を時期に応じて取り組むと、子どもたちの相互理解が深まるとある。しかし、このクラスのトラブルの中身や相互理解の中身が見えない。こういうゲームを通じて理解をすることもあるだろうが、相互理解とはそういうことではないだろう。それぞれの生活を知ることではないのか。

 

「さとに来たらええやん」の訪問記はドキュメンタリー映像が有名になっているが、訪問記の概括もいいもんだ。

 

いじめ問題を大学生に教える木村の報告は、問題設定が参考になる。

 

大阪大会ということで久田論文がつながりと多様性のある学びをつくり出す意味を論じている。つながりや多様性を特定の学習形態に対応させるのではなくて、真理・真実の探求とつなぐことこそ重要だとしている。

 

行田の「算数の発見」学び直しは、これも大学生を対象にした自身の講義の報告。算数教育内容論になっていて興味深いのだが、一つの柱であるとしても、大学生に何を伝えるべきかはなお検討の余地がある気がする。

 

今夏の日生連の基調は、教育の領域の3領域論が和光小の教育課程に対応して打ち出されている。これは議論の余地が大いにある話しだ。

直ちに論争とはならないだろうが、個人的にはこれに賛同しないだろうなあ。

 

ともかく、興味深い話題が散りばめられていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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