朝日のCMを兼ねたようなネット記事に「ウミ」についての解釈がのっている。
ウミは広いな大きいな〜、月がのぼるし、日がしずむ〜♪
という童謡について、
「童謡「ウミ」を大声で歌うと平安な気分になりませんか? おおらかな詞に優しいメロディー、果てしのない大海原が思い浮かびます。」と言って、これを肯定的に書き出しているから、結論は見えている。
「ところが、この歌には「戦争協力」の意味があるという説があります。本当でしょうか。 問題視されるのは、第3節です。「ウミニ オフネヲ ウカバシテ、イッテ ミタイナ、ヨソノ クニ」という歌詞が、大日本帝国の海外進出への期待を、子どもたちに歌わせたのではないか、というのです。」
と異説を紹介して、これがつくられ、国民学校の音楽教科書に載せられた頃(1941年)の状況を紹介し、これを作詞した林柳波
(1892〜1974)は、軍歌も作り、文部省の教科書編集委員を務め、国策に協力する立場にあったことも認める。
しかし、山中恒の意見を持ち出して否定する。「
『ヨソノクニ』は南方を指しているようにもみえる。でも……、「ウタノホン」の教師用手引書を見せて、「海国日本国民の憧憬と意気とを歌ったものである」」との解説があって、それは「海事思想とは、南方雄飛の意味でしょ
うが、露骨に海外進出を強調しているわけではない。決め付けてしまうのはどうだろうか」と山中さんは話します。」と言う。
しかし、山中も露骨な海外進出をうたったわけではないと言っただけだ。露骨でない海外進出などというものがあるのかどうか。海外侵略を「海外進出」と言っているこの記事を書いた人と同じで、言葉は違っても中身は同じじゃないか。
もう一つ理由を持ち出す。「近代音楽史を研究する戸ノ下達也さんも「国威発揚なら『日ガシズム』は変だ。むしろ子どもの感性や想像力を養う意識がみられる」と言います。」
日が沈むはおかしくない。日の本でも必ず沈む現象は発生し、そこを侵略してその地の付近に日が沈むと想像する感性が意識されていたと解釈することもできる。だから、反論になっていない。
結局、「自由への渇望を感じとるか、海外雄飛へのひそかな野心をみるか…林の生きた時代と、彼の作詞家人生を見てみましょう。」と本やCDの宣伝に繋げます。それらを見ても問いに答えることはできないのですが、なぜか宣伝。記事の効果は、軍国主義の一翼を担わせられた歌の免罪と商売。